以前「コバルトってどんな金属?」という話を記事にしました。
かなりマニアックな話なので誰も読まないだろうと思っていたら・・・
1年近く経ったいまでも、人気記事にランクインしてビックリ!
せっかくなので今回は続編的に、コバルト基合金に含まれる成分を紹介します。
おさらい:キクイシザーのコバルトはCoが主成分!
前回の記事でも書きましたが・・・
コバルト基合金とは、コバルトCoをベースにクロムやタングステンを添加した合金。
最大の特徴は
ステンレスよりはるかに優れた耐食性
にあります。
キクイシザースではコバルトシザーを世界で初めて開発して以来、40年以上の実績がありますが、
理美容室の環境においてもコバルト基合金は絶対にサビる事がない金属と言うことが出来ます。
もうちょっと詳しい内容は過去記事をご覧ください。
Co以外にどういった成分が添加されているのか??
こちらが、キクイシザースで使っているコバルト基合金の成分です。
実際に、これらをバランスよく混ぜ合わせることでコバルト基合金がうまれます。
合金は複数の成分を添加することで、さまざまな特性が掛け合わされます。
純コバルトだけでは脆(もろ)いという弱点をさまざまな添加元素が補うことで、用途に合わせた金属に生まれ変わる事ができます。
誤解を恐れずザックリと各成分の効果を説明すると・・・
- 純クロム Cr ・・・耐摩耗性、耐食性を増加させる。
- フェロタングステン Fe-W ・・・引っ張り強さを増す。
- 純ニッケル Ni ・・・硬さ、強さ、靱性を向上させる。
- 純シリコン Si ・・・硬さを増加させる。
- 純マンガン Mn ・・・鋼の強靭性を増す。
- カルシリマグネシウム Ca-Si-Mg
- カーボン C ・・・強さ、硬さを増加させる。
こういった成分を規格に添った配合比で混ぜ合わせ、高温で溶解することで、ハサミの材料として最適な粘りと耐摩耗性を兼ね備えた「コバルト基合金」がうまれます。
メイドインジャパンだからこそ、材料の供給面でも安心してものづくりが行える。
今回、刃材を供給いただいている取引先工場まで打ち合わせに伺ったのですが、非常に厳しい品質管理のもと規格を守った材料を作るプロレスも見せていただきました。
他社の工場の見学をさせていただくと参考になることだらけ。
生産管理面や設備面でも参考にさせていただける内容も多く、非常に勉強になりました。
供給いただいた素晴らしい材料を最高のハサミに仕上げて届けるのが、最終製品を作っている僕たちの役割!
取引先工場の見学をさせていただき、そんな責任を感じて帰ってきました。