和歌山のシザーメーカー、キクイシザースです。
しばらく補助金の話とかアメリカの話、違う世界のものづくりなどが続いていましたが…
今回はひさびさにハサミの話、それも「コバルト」という材料のマニアックな話です。
コバルトシザーは1973年の誕生以来、愛され続けてきたキクイの定番です。
販売からすでに40年以上たちますが、シンプルなデザインと信頼の品質で多くのユーザーに支持される商品。
2015年には、なんとグッドデザイン賞も受賞しました!
全てのディテールに機能的な意味があり、その集積がプロポーションを決定している。合理的で理性的な説得力を感じた。発売当初からおおきな変更がないというのも基本設計のレベルの高さが伺える。今後も永くこの価値を市場に提供し続けてもらいたい。
ー2015年度グッドデザイン賞 審査員の評価より
「コバルト」ってどんな金属・・・?
キクイシザースでは、コバルト含有率70%の「コバルト基合金」のみCOBALTの表記をしています。
そのいちばんの特徴は、「絶対にサビない金属」ということ。
シザーが使われるのは、水気が多くパーマ液等の薬剤にも触れる、金属にとって過酷な環境。
ステンレスであっても、手入れ・使用条件によりサビは発生します。
一方でコバルト基合金は、絶対にサビることがなく、切れ味が長続きするタフな金属。
だからこそ、僕たちが理念として掲げる
使いやすく、長く愛される道具としての理美容ハサミ
という想いに相応しい材料として選び続けています。
もうひとつ、ステンレス鋼とは異なるコバルト基合金の特徴として磁石にくっつかない、というのがあります。
コバルトを2〜3%含むコバルトステンレス鋼も高級鋼材として開発されていますが…。
僕らがCobaltと呼んでいるコバルト基合金(コバルト70%)とは全く別物です。
コバルト基合金か「コバルトを含むステンレス」かは光り方でもだいたい分かりますが、磁石が付くかどうかをみると分かりやすいです。
素材に道具としての命を吹き込む”ものづくり”
キクイシザースの創業者・喜代次が試行錯誤の末にコバルト基合金のシザーを開発したのは1973年。
実はこれが、世界で初めての全鋼コバルト基合金を使った理美容ハサミでした。
何でもそうですが、世界初という事は自信にもなりますが、それだけ責任もあることだと感じています。
僕たちキクイシザースは常にコバルトにこだわり、切れ味と使いやすさを追求してきました。
僕たちのコバルトシザーには、派手な装飾も奇抜なデザイン性もありません。
それは、道具として本当に長く愛用できる機能性で選んでほしいという作り手の思いの形です。
まとめ: ぜひ、その切れ味を体感してください!
キクイシザースの作るコバルトシザー。
その切れ味の違いは、一度味わえばきっと分かってもらえると思います。
また、メーカーである僕たちにご連絡いただければ一部サンプルの貸し出し、ハサミやオーダーメイドについての相談もしています。
メーカーに直接聞きたいことなどありましたら、キクイシザースのLINE@または下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。