和歌山で理美容のハサミを作っているキクイシザースです。
がっちりマンデーご覧いただきありがとうございました!
今週はゴールデンウィーク期間で工房の作業自体はストップしているのですが、
事務所に出ているとお休みにも関わらずたくさんのお電話やメールをいただいてます!
全国放送すごい…
さて、僕たちは小さな会社で、「コバルト」自体加工も難しく材料価格も高騰しています。
それでもコバルトという材料にこだわり、道具として良いものを手の届く価格で、というのが僕たちの想い。
そんなものづくりをしているので、まだまだ本当に「がっちり」と言えるか分かりませんが…。
プロが使う仕事道具だからこそ、理容師・美容師の皆さまが「がっちり」儲けていただける道具を
これからも届けていければ、という気持ちで日々ハサミと向き合っています!
(…っと、取材のときにも話したんですがカットされました笑)
一点だけ、お問合せがあったので補足。
ナレーションの中で
「コバルトは金属の中ではやわらかい」
という表現があった点について、お問合せフォームにご質問をいただいていたので補足説明。
コバルト基合金は確かに、刃物用ステンレスと比べると硬度は低くなりますが、
焼き入れが出来ないにもかかわらず十分な硬さを持っている合金です。
もちろん髪を切るために必要な硬さと強さを持っていますし、だからこそ40年以上たくさんの方に愛用いただいてます。
硬さだけで比べるとステンレスに劣るコバルトですが、その欠点をカバーするのが耐摩耗性。
刃と刃が常に擦れ合うハサミの場合、硬さだけでなく磨耗しにくさも大切です。
硬さとはなにか?強さとはなにか?
合金の特性は本当に奥が深いです。
弊社で使っているコバルト基合金も、Coだけでなくタングステンやクロムといった成分の配合率によって特性が変わってきます。
今回のがっちりマンデーはたくさんの魅力ある企業さまに混じってご紹介いただいたので、
限られたVTRの時間の中で全てを説明しきれるわけではありませんが…
一般の方が観る全国放送の人気番組で取り上げていただき、
「理容師さん美容師さんの道具に興味を持ってもらう」
という大きなきっかけになった!とうれしく思っています。
「コバルト基合金」については先日、もうちょっと詳しくまとめた記事を書いているので、
もしよろしければ合わせてご一読ください。
おまけ:スタジオ収録見学後のロビーにて、住友金属鉱山さまと。
住友金属鉱山さまが資料として持ってきていただいた、純粋なコバルト鉱とコバルトシザー。
おおもとを辿ればこの素材からハサミになっていると考えると日本のものづくりの真髄を感じます。
この純粋なコバルトは流通しておらず、僕たちのシザーも含めいくつかの元素を混ぜた「合金」として使われます。
僕たちもこの状態のコバルトを見るのは初めてで、貴重な資料に触れさせていただきました!
このような機会を作ってくださいましたテレビ局関係者の皆さまに改めて感謝いたします。